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生命のもとが蓄えられている

中医学では、「腎」には「精[せい]」を蓄える「蔵精[ぞうせい]」のはたらきがあると考えています。
「精」とは、私たちが先天的にもっている生命エネルギーの基本となる物質です。両親から授かった精は「先天の精」と呼ばれ、腎に蓄えられていますが、使われるうちに足りなくなってきます。

これを補うのが「後天の精」です。

後天の精は、脾胃[ひい]によって飲食物からつくられ、全身に送られますが、余った精は腎に蓄えられ、必要に応じて気や血[けつ]、水[すい]などに変えられて利用されます。

精は五臓すべてにありますが、中でも先天の精と後天の精からなる腎の精は、生殖や成長・発育・老化の根本となるので、からだの中で最も大切な物質と考えられています。

こうして先天の精が後天の精の補充を受けながら少しずつ増え、満ち足りた状態になると生殖能力が備わります。逆に年をとって精が足りなくなると老化が始まるわけです。
# by mkkiri | 2012-05-26 09:15 |

腎の働きと病気

腎の働き

体の水分をコントロールする要である

現代医学では、からだに取り入れられた食べものは、消化・吸収・代謝されたあと、動脈を通ってからだのすみずみに運ばれ、エネルギー源として利用されると考えます。その結果生まれた、必要のない物質や老廃物は、静脈に送られます。

腎臓は、不要になった物質や老廃物を静脈血から取り除く「フィルター」をもっています。ろ過された物質を尿として排出するのが腎臓の主なはたらきです。腎臓には、そのほか、からだの水分量や血圧を調節するはたらきなどもあります。

中医学では、「腎」は、からだの水液代謝のかなめと考えられています。飲食物から吸収された水液は「脾胃」から「肺」を通じて全身に送られるとともに、必要のない水液は「膀胱」から排出されますが、これらのはたらきをコントロールしているのが腎なのです。

しばらくの間 この腎について解説したいと思います。
# by mkkiri | 2012-05-25 09:12 |

臓腑はカバーしあう

五臓は、生まれたときから、弱い臓腑があると、他臓がこれをカバーします。
例として、生まれつき腎が弱いと末梢の血流が十分に流れず体が冷えます。体は血を末梢まで送ろうとして、心をさらに働かせ、心に負担をかけます。また、脾は、体を温めようとして、働きすぎて機能が衰えます。
五臓は。独立した働きをもちながら、同時に体という生体部分を構成しています。相生・相克関係を通じてかばいあったり、反発しあったりしています。

体が冷え情緒不安があり寝汗をかく心腎不交では、桂枝加竜骨牡蠣湯をよく使用します。

病気の状態が腎まで及んでいた場合は、八味地黄丸扶陽理中顆粒桂枝加竜骨牡蠣湯の併用を使用します。

この二つは臨床上とても多い症例で、寝汗の治療にはよく使用します。
# by mkkiri | 2012-05-19 09:43 | 漢方薬