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乾癬と漢方

乾癬と漢方
皮膚の表面からやや盛り上がった、境界のはっきりした鮮紅色の斑の上に、雲母様と呼ばれる銀白色の厚いふけに似た皮膚の破片が付着した皮疹ができる病気が乾癬(かんせん)です。とくに、ひじやひざにできることが多く、欧米人に多いといわれていましたが、近年では日本でもふえる傾向にあります。原因は不明です。難治性の皮膚病で漢方薬の治療を求める患者さんが多い慢性病の一つです。乾癬の主な原因は「瘀血(おけつ)」と考えますので瘀血(おけつ)を取り除きながら気血津液の流れを改善してきれいな皮膚にしていきます。


桂枝茯苓丸
血の熱の為に、血の停滞を起こし血液に循環が悪くなり、冷えのぼせの症状がでます。またもともとから血の循環が悪い人が、他の原因で血の停滞ができてしまい、なかなか治らずつらい症状が出ます。瘀血があって、血色が悪い人に適しています。冷えのぼせ、肩こりなどがある方に適しています。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)の詳細解説

桃核承気湯
下半身に乾癬がある人に適しています。便秘や月経痛、月経不順、下腹部の炎症などが使用目安になってきます。膀胱付近に熱が強いため、血の停滞を起こし血液循環が悪くなり、神経痛や腰痛・肩こりなどが起こります。また、熱のために便秘や神経興奮も起こり、いらいらなどの神経症状も起こります。桃仁・芒硝で血の熱を冷ますことにより、血の停滞をのぞき血液循環をよくします。甘草が働いて痛みや肩こり・冷えのぼせ・下腹部の抵抗圧痛を取り除きます。桂枝で神経興奮を静めていらいらなどの神経症状を緩和します。大黄で腸の熱を冷まし、便通をよくします。
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)の詳細解説

冠脉通塞丸
血を動かす気と血が粘って濃くなっているために補血しながら瘀血をさばきます。この代表処方です。慢性化した乾癬は、瘀血を発生しますので補血し、気の流れをよくして血を動かし瘀血を改善します。活血祛瘀の桃仁・紅花・当帰・川芎・赤芍・牛膝で血瘀を除き、行気の柴胡・枳殻が活血を補助します。桔梗は上行で牛膝は下行に働き、効果を全身に効果を全身におよぼし、滋陰の生地黄と養血の当帰の配合により、祛瘀しても陰血を損傷せず、甘草は諸薬を調和します。血の停滞である瘀血(オケツ)を改善しながら気血の流れを良くして頭皮まで血を循環させます。
冠脉通塞丸(かんみゃくつうそくがん)の詳細解説

温清飲
更年期障害や婦人の自律神経失調にともなう不安、不眠、のぼせなどの症状と出血傾向や生理の不順と生理痛、不安、不眠、のぼせなどの症状、子宮出血、月経が多いなどの症状を和らげます。また、皮膚症状としての熱感、かゆみ、分泌物などの症状を和らげます。黄連解毒湯で血熱を冷まし、四物湯で血の栄養を補います。のぼせやすく皮膚が乾燥しやすい乾癬に使用します。皮膚の色つやが無い、浅黒い皮膚、肋骨の下をおすと軽い抵抗圧痛がある、のぼせ、手足のほてり、出血傾向などの症状が目安になります。
温清飲(うんせいいん)の詳細解説

消風散
痒みが強い乾癬に使用します。便秘がちでのどが乾くような人の、慢性化した皮膚疾患に適しています。湿疹・蕁麻疹は食物や化粧品などの外因的なもの、内臓機能の低下あるいは病変のため皮膚病にかかりやすい体質などの内因的なものが考えられます。そのために熱を持ち分泌物やかゆみなどの症状が現れます。地黄・当帰は血液の循環や働きをよくします。石膏で皮膚付近の熱を冷まします。石膏は知母とともにのどの乾きを止めます。防風・荊芥で解毒・敗毒を行います。苦参でただれを治してかゆみを和らげます。
消風散(しょうふうさん)の詳細解説

黄連阿膠湯
冷え症で不眠傾向にある慢性化した乾癬に使用します。比較的体力のない人で、冷え症、のぼせ、不眠傾向、鼻血、皮膚が乾燥しやすい、かゆみ、口臭、みぞおちの痞えなどが目標になります。冷え性でのぼせ気味で不眠傾向の方の鼻血、不眠症、カサカサした皮膚のかゆみに用います。阿膠・芍薬で腎に栄養を与えます。卵黄末で心臓に栄養を与え、冷えのぼせを改善させます。黄連・黄ごんで体内部の熱を冷まし、イライラや眠れないという症状を緩和します。
黄連阿膠湯(おうれんあきょうとう)の詳細解説
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by mkkiri | 2013-03-30 09:15 | 乾癬

顔面神経麻痺と漢方

顔面神経麻痺と漢方
顔の表情を作る運動神経(顔面神経)が顔の片側で突然まひする病気です。脳卒中などの場合に起こる脳障害が原因の顔面まひとは異なるもので、ウイルス感染により神経の末端に障害が生じて起こることが多いものです。数週間から数か月で後遺症が残ることなく完全に治ることが多いのですが、なかには治療にかかわらず、顔面の一部のまひが残る場合もあります。漢方では痺症(ひしょう)と言い風寒湿のいずれかの病邪を取り除く治療をします。西洋薬の治療と同時に使用しても問題ないので早い漢方治療をおすすめします。

半夏白朮天麻湯
日頃から胃腸が丈夫でない人が、暴飲暴食をしたりして湿邪が経絡の流通を阻害したためにおきる顔面麻痺に使用します。頭痛・めまい・吐き気を伴うことが多い場合には、とてもよく効きます。胃腸の働きが悪い人のめまい・頭痛・吐き気に用いる代表処方です。食欲が旺盛でよく食べ日頃から痰が多い人が回転性のめまいにかかったときにものすごくよくよく効きます。また、車酔いにもよく効きます。天麻と半夏・陳皮めまいを改善させます。黄耆・人参・白朮・茯苓・蒼朮・黄柏で胃腸の調子を整え吐き気などを押さえます。風湿の病邪をさばきます。
半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)の詳細解説

川芎茶調散
風邪の侵入によって経絡の流通が悪くなり顔面麻痺を起こします。袪風する事で顔面麻痺を改善させます。頭痛やかぜの初期に用いる処方です。体表部から病邪が肌表・経絡・肌肉などに進入停滞したものを荊芥・防風・羌活・白芷・薄荷で除き、頭痛を改善します。体表部から病邪が肌表・経絡・肌肉などに進入停滞したものをさばく代表処方です。
川芎茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)の詳細解説

麻杏薏甘湯
運動した後などに汗をかいたまま風に長い間あたったりあるいは長い間冷えたところにいたために、からだに強い冷えが生じ水分代謝および血液循環が悪くなり、経絡の流通が悪くなり顔面麻痺を起こします。麻黄・杏仁はからだの冷えを温め血液の循環をよくする働きがあります。麻黄・杏仁は甘草とともに関節などに停滞している水を取り除きます。ヨクイニンは水分代謝をよくし血液のほてりを鎮めます。また、甘草とともに痛みを緩和します。顔面麻痺が慢性化し、皮膚の緊張が強い場合に使用します。冷えやむくみを伴う人にはとても効果があります。
麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう)の詳細解説

桂枝加苓朮附湯
日ごろから寝汗をかくような体質のため、皮膚の毛穴が開いたっまになっているので汗や熱が漏れてからだが冷えてしまいます。その為に水分代謝が悪くなり、神経痛・ひざの痛み・腰痛・尿量減少などの症状があります。このような人の慢性化した顔面麻痺に使用します。桂枝で皮膚表面の働きを整えます。附子で体を温め、皮膚の表面からの汗や熱などの漏れを防ぎます。大棗・芍薬・甘草で血液の循環を良くします。蒼朮で水分代謝を整えることによって痛みの症状を改善していきます。
桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう)の詳細解説

防已黄耆湯
からだの皮膚表面の働きが悪いため水分代謝がうまく行われず、体内の水分が停滞しそれがむくみとして現れたり関節に停滞したりします。防已・黄耆は皮膚表面に停滞している水分を取り除き皮膚表面の働きを助けます。生姜で消化器に停滞している水分を温め動きやすくします。白朮・甘草で消化器に滞った水を尿として流すことにより、水分代謝を改善し関節に水が集まるのを防ぎます。体表部からの外邪の侵入によって湿邪がさらに停滞し経絡の流通を阻害して麻痺が生じます。尿量が少なく汗かきで色が白くむくみやすい人の顔面麻痺に使用します。
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)の詳細解説

桂枝茯苓丸
病気が慢性化すると必ず瘀血が発生します。瘀血を改善する代表処方です。血の熱の為に、血の停滞を起こし血液に循環が悪くなり、冷えのぼせの症状がでます。またもともとから血の循環が悪い人が、他の原因で血の停滞ができてしまい、なかなか治らずつらい症状が出ます。このような人によく使います。桃仁・牡丹皮は、血の熱を冷まして停滞している血の流れをよくします。桂枝・茯苓で皮膚表面の新陳代謝をよくし冷え・のぼせの症状を緩和します。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)の詳細解説
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by mkkiri | 2013-03-27 09:00 | 顔面麻痺

おりものと漢方

おりものと漢方
 おりものとは、子宮や脛など女性性器の粘膜から分泌される生理的な分泌物のことで、閉経前の女性であれば誰にでもあります。常に脛内を適度に潤しているおりものには、免疫細胞や免疫抗体などが含まれていて、外部から侵入してくるさまざまな病原菌から女性性器を絶えず守っています。また、精子の子宮内への進入を助けるなど、大切な役割も担っています。 こような生理的おりものは、個人差はありますが一般的にはごく薄い乳白色で無臭です。多少の粘り気はあっても、ベタベタはしません。量は月経前と排卵期、妊娠中に増え、普段は下着に少量付く程度です。ところが、女性性器に何らかの疾患や異常があるときは、分泌物であるおりものの色やにおい、量に変化が現れます。 おりものが変調を来たす主な原因は、細菌による感染症です。ほかには女性性器の炎症、子宮口部分がびらん状にせり出す子宮腱部びらん、子宮がんなどがあります。中医学では、水毒と瘀血の治療を主体として考えます。


桃核承気湯便秘を伴う人に用いる瘀血の治療の漢方薬です。膀胱付近に熱が強いため、血の停滞を起こし血液循環が悪くなり、神経痛や腰痛・肩こりなどが起こります。また、熱のために便秘や神経興奮も起こり、いらいらなどの神経症状も起こります。桃仁・芒硝で血の熱を冷ますことにより、血の停滞をのぞき血液循環をよくします。甘草が働いて痛みや肩こり・冷えのぼせ・下腹部の抵抗圧痛を取り除きます。桂枝で神経興奮を静めていらいらなどの神経症状を緩和します。大黄で腸の熱を冷まし、便通をよくします。
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)の詳細解説

竜胆瀉肝湯肝・膀胱に熱があるために、血液が熱を持ち体の体液までもが熱をもちます。その為に、イライラしたり・残尿感・膀胱炎・目が赤い・不眠などの症状が出ます。竜胆草・黄ゴン・山梔子で肝の熱を冷まします。柴胡で自律神経を安定させます。沢瀉・木通・車前子で熱になっている水を尿として排泄させます。肝胆の湿熱が原因となって、膣内のおりものが化熱され粘って臭うようになります。肝胆の湿熱が原因のおりものをさばく代表処方です。
竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)の詳細解説

桂枝茯苓丸冷えのぼせがある瘀血治療の代表処方です。血の熱の為に、血の停滞を起こし血液に循環が悪くなり、冷えのぼせの症状がでます。またもともとから血の循環が悪い人が、他の原因で血の停滞ができてしまい、なかなか治らずつらい症状が出ます。このような人によく使います。桃仁・牡丹皮は、血の熱を冷まして停滞している血の流れをよくします。桂枝・茯苓で皮膚表面の新陳代謝をよくし冷え・のぼせの症状を緩和します。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)の詳細解説

温清飲更年期障害や婦人の自律神経失調にともなう不安、不眠、のぼせなどの症状と出血傾向や生理の不順と生理痛、不安、不眠、のぼせなどの症状、子宮出血、月経が多いなどの症状を和らげます。また、皮膚症状としての熱感、かゆみ、分泌物などの症状を和らげます。黄連解毒湯で血熱を冷まし、四物湯で血の栄養を補います。
温清飲(うんせいいん)の詳細解説

加味逍遥散冷えや・自律神経の乱れによって、ホルモンバランスが崩れ血流の循環も悪くなって、肝臓の働きが低下します。その為に便秘になったり、貧血・肩こりなどさまざまな症状が出てきます。山梔子・薄荷で自律神経を安定させます。柴胡で肝機能を高めます。当帰・芍薬・牡丹皮で、血液の働きを増すことによってホルモンバランスを整え、疲労倦怠・貧血・肩こり・便秘などの症状を改善します。
加味逍遥散(かみしょうようさん)の詳細解説

当帰芍薬散貧血・冷えの為、腎や膀胱付近の血液循環が悪くなりその働きが低下した為にむくみが生じます。当帰・川きゅうは血の冷えを温め造血をはかる働きを持っています。芍薬とともに血液の働きを増します。茯苓・白朮で冷えやむくみなどの原因となる体内の余分な水分を尿として流すことによりむくみを改善します。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)の詳細解説
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by mkkiri | 2013-03-26 09:30 | 陰部の臭い

円形脱毛症と漢方

円形脱毛症と漢方
とくに皮膚疾患や全身性の疾患もなく、痛みやかゆみもないのに、円形に毛が抜けることをいいます。頭髪がいちばん多いのですが、眉毛やひげ、陰毛、わき毛などにも脱毛が及ぶ場合があります。自律神経や一部の血管の機能異常、精神的ストレスなどが原因とされていますが、はっきりしたことはわかっていません。毛髪は血の余りのものと考え「血餘:けつよ」と考えられています。難治な病気ですが小さなものは漢方薬の治療でうまくいくことがあります。治療のポイントは、頭皮に血液をうまく循環させることです。

柴胡加竜骨牡蛎湯神経の高ぶり、精神不安が強いため、水分代謝が悪くなり、胸苦しさやイライラなどが起こり、眠れなくなります。竜骨・牡蛎は、腎の働きをととのえかつ沈静的に作用し胸や腹部の動悸を鎮めます。桂枝の興奮を引き下げる働きとともに神経の高ぶりを鎮め、イライラ・精神不安を取り除きます。柴胡で胸部の熱を冷まして胸苦しさを取ります。半夏・生姜・茯苓で水分代謝をよくします。大黄で大腸の熱を冷ますことによって眠れないという症状を緩和します。目安としては、胸脇苦満、動悸、便秘、手や足の裏に汗をかく、肩こり、上下の血圧が高いなどです。下痢をしている人は違います。精神的ストレスが強いことが原因の円形脱毛症に使用します。
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)の詳細解説

防風通聖散脂っこい食事・甘いものの過剰摂取に加え、その代謝がうまく行われない為に便秘し、特に腹部に脂肪が蓄積しやすくなります。大黄・甘草・芒硝で、便通をよくしながら体内に蓄積している老廃物を排泄します。荊芥・当帰・防風で、血液の循環をよくし、解毒を行い脂質の代謝をよくします。肥満していて、便秘傾向でのぼせ、赤ら顔、肩こりなどの症状を持つ人で、食毒が原因と考えられる円形脱毛に使用します。胃熱をとりさることで、気血の運行をよくします。
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)の詳細解説

逍遥散食べたものを消化吸収運搬する臓器である脾の働きが悪い為に肝血不足を起こし、肝の正常な活動が出来なくなって肝気がスムーズに流れないようになっておきる病態に使用します。柴胡が主薬で、肝気をスムーズに流し、少量の薄荷が発散の効能を強めます。当帰と芍薬は、肝血を補い肝の正常な活動を助けます。健脾の白朮・茯苓・甘草と温める生姜は、脾のはtらきを元気にし肝血の生成を促します。肝気を調整して脾に乗じないようにし、脾をすこやかにし肝に乗じられないように防止します。ストレスが原因で気血の流れが悪くなった円形脱毛症に使用します。冷えがあって、便秘したり下痢をしたりする人に使用します。
逍遥散(しょうようさん)の詳細解説

桂枝加竜骨牡蠣湯桂枝加竜骨牡蛎湯は元気や機能が衰えて末梢(特に脳)への栄養がうまくめぐらず、脳の機能が低下して不安感、不眠、動悸などの神経症状を現わす人に気血不足の調整をし、竜骨・牡蛎の鎮静作用により神経症状を緩解させる処方となっています。不眠や不安などがあり、気分がイライラして落ち着かない人に処方されます。極端に緊張しやすく、手やわきの下に汗をかくことが多い人に適しています。ストレスや血不足が心腎に影響を与え、のぼせ、寝付きが悪い、イライラするなどの精神症状を持っている人の円形脱毛症に使用します。
桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)の詳細解説

当帰芍薬散貧血・冷えの為、腎や膀胱付近の血液循環が悪くなりその働きが低下した為にむくみが生じます。当帰・川きゅうは血の冷えを温め造血をはかる働きを持っています。芍薬とともに血液の働きを増します。茯苓・白朮で冷えやむくみなどの原因となる体内の余分な水分を尿として流すことによりむくみを改善します。色白で体つきのほっそりした虚弱タイプで、手足の冷えや月経不順がある人に使用します。消化器の働きが弱くて血不足となり気血の運行が悪くなった円形脱毛症に使用します。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)の詳細解説

冠脉通塞丸活血祛瘀の桃仁・紅花・当帰・川芎・赤芍・牛膝で血瘀を除き、行気の柴胡・枳殻が活血を補助します。桔梗は上行で牛膝は下行に働き、効果を全身に効果を全身におよぼし、滋陰の生地黄と養血の当帰の配合により、祛瘀しても陰血を損傷せず、甘草は諸薬を調和します。血毒が原因と考えられる円形脱毛症に使用します。血の停滞である瘀血(オケツ)を改善しながら気血の流れを良くして頭皮まで血を循環させます。
冠脉通塞丸(かんみゃくつうそくがん)の詳細解説
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by mkkiri | 2013-03-23 09:33 | 脱毛

胃酸過多と漢方

胃酸過多と漢方
胃液の中に含まれる塩酸とペプシンを胃酸といい、消化や殺菌の重要な働きをしています。胃酸は胃粘膜の細胞から分泌されますが、過剰に分泌されると塩酸により酸度が異常に高くなって、胃や十二指腸、食道の粘膜が傷ついて酸症状とよばれる症状があらわれます。なお、胃酸過多症とは病名ではなく、一般には胸やけなどの酸症状がみられる場合に用いられています。漢方治療では、胃の働きを正常に戻し、胃液の分泌障害を除きます。漢方の得意分野です。

黄連解毒湯体内の熱が強い為、血液に熱を持ち血管が充血し炎症を起こしやすくなっていて、のぼせや胃部のつかえなどが起こります。また、熱のため強い神経興奮も生じ、めまい・たちくらみなども起こります。黄連・黄ごん・黄柏・山梔子で体内の熱を冷まし充血・炎症を鎮め、みぞおちあたりのつかえやのぼせを取り除きます。山梔子は特に神経興奮を静める働きを持ち、精神不安・イライラを鎮めめまいたちくらみなどの症状を緩和します。胃熱があって、胃液が多く胃潰瘍気味の人に用いられます。胸焼け、動悸、神経的なストレスで眠れない場合、顔ののぼせなどの症状を持つ人の胃酸過多に使用します。
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)の詳細解説

柴胡桂枝湯心配事や緊張・ストレスなどにより胃に負担がかかり、そのため胃における血液の循環が悪くなり、そこに熱を持ち、みぞおちあたりのつかえや痛みなどのさまざまな症状が現れます。桂枝・半夏で神経の緊張を鎮めます。柴胡は肝機能を高め解毒力を増す働きを持ちます。柴胡・黄ごんで体内にこもった熱を冷まして炎症・化膿を鎮め、胸苦しさを取り除きます。半夏・生姜で吐き気を鎮めます。人参・甘草・大棗で胃腸の働きを高め、食欲を増すことによって体力を付け抵抗力を高めます。芍薬で痛みを緩和します。空腹時の胃痛やげっぷ、胸焼けなどに使用します。特に神経的なストレスからくる胃腸病に使用され、季肋部の不快感や胸脇苦満の症状に使用します。
柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)の詳細解説

安中散神経質・冷え性体質のため胃が冷え、精神的刺激・疲労の蓄積などが誘因となって胃腸障害が起きます。そのため内臓の血液の循環が悪くなり、胃の筋肉が弛緩し吐き気や胃痛などの症状を起こします。良姜・茴香で胃を温めます。延胡策・茴香・甘草・芍薬で更に温めながら痛みを緩和します。牡蛎・桂枝は神経の緊張を鎮めます。
安中散(あんちゅうさん)の詳細解説

平胃散胃の消化が悪いため、または飲食物の過剰摂取のため、食べ物や水分が胃に停滞し、みぞおちのあたりがつかえて膨満が起こり、胸焼け胃痛などの症状が起こります。生姜で胃の水を温め動きやすくします。蒼朮・大棗・甘草で胃の水を尿として流し胃に停滞している水分を取り除きます。厚朴・陳皮でお腹の張りや胃の張りを取り去ります。美食や食べ過ぎで消化不良になった場合に用います。胃の消化が悪いため、胃の中に食べ物や水が溜まっていたり、心下部が痞えて膨満感があり、食べると腹がゴロゴロとなって下痢をするような人に使用されます。漢方の消化剤です。
平胃散(へいいさん)の詳細解説
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by mkkiri | 2013-03-21 11:31 | 胃腸薬

甲状腺機能亢進症と漢方

バセドウ病と漢方
甲状腺ホルモンの分泌が多すぎるために起こる甲状腺機能亢進[こうしん]症の代表的な病気です。自己免疫疾患のひとつであり、20~30歳代の女性に多くみられます。 甲状腺はのどぼとけのすぐ下にあり、脳の下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモンによって、サイロキシンとトリヨードサイロニンという2種類の甲状腺ホルモンを分泌しています。甲状腺ホルモンには、新陳代謝を活発にし、エネルギーを熱にかえたり、自律神経の働きを調節する作用があります。中医学では、陰陽のバランスをとり五臓の調和をはかります。


柴胡加竜骨牡蛎湯
神経の高ぶり、精神不安が強いため、水分代謝が悪くなり、胸苦しさやイライラなどが起こり、眠れなくなります。竜骨・牡蛎は、腎の働きをととのえかつ沈静的に作用し胸や腹部の動悸を鎮めます。桂枝の興奮を引き下げる働きとともに神経の高ぶりを鎮め、イライラ・精神不安を取り除きます。柴胡で胸部の熱を冷まして胸苦しさを取ります。半夏・生姜・茯苓で水分代謝をよくします。大黄で大腸の熱を冷ますことによって眠れないという症状を緩和します。
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)の販売サイト

白虎加人参湯
体内の熱が強いため、血液および体表部に熱がこもり体液が不足してのどの乾き・ほてり・かゆみなどが起こります。知母・石膏で体内の熱を冷ましてのどの乾きやほてりを鎮めます。人参で血液の流れをよくし、血液および体表部の乾きをうるおすことによりかゆみなどの症状を緩和します。
白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)の販売サイト

加味逍遥散
冷えや・自律神経の乱れによって、ホルモンバランスが崩れ血流の循環も悪くなって、肝臓の働きが低下します。その為に便秘になったり、貧血・肩こりなどさまざまな症状が出てきます。山梔子・薄荷で自律神経を安定させます。柴胡で肝機能を高めます。当帰・芍薬・牡丹皮で、血液の働きを増すことによってホルモンバランスを整え、疲労倦怠・貧血・肩こり・便秘などの症状を改善します。
加味逍遥散(かみしょうようさん)の販売サイト

半夏厚朴湯
消化器に水分が停滞しているためからだの水分代謝が悪くなります。そのために自律神経が乱れのどのいらいら(ひっかかり)や異物感・咳などとなって現れます。生姜で消化器の水分を温め動きやすくします。茯苓でその水を尿として流すことにより水分代謝をよくします。半夏・厚朴・蘇葉で自律神経を安定させ、のどのいらいらや異物感およびそれに伴う咳などを鎮めます。
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)の販売サイト

当帰芍薬散貧血・冷えの為、腎や膀胱付近の血液循環が悪くなりその働きが低下した為にむくみが生じます。当帰・川きゅうは血の冷えを温め造血をはかる働きを持っています。芍薬とともに血液の働きを増します。茯苓・白朮で冷えやむくみなどの原因となる体内の余分な水分を尿として流すことによりむくみを改善します。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)の販売サイト

逍遥散肝機能が低下しているため、排尿困難・むくみなどの症状がでます。また貧血・冷えの為、腎や膀胱付近の血液循環が悪くなりその働きが低下した為にむくみ・排尿困難が生じます。柴胡は肝機能を高め解毒力を増す働きを持ちます。当帰・川きゅうは血の冷えを温め造血をはかる働きを持っています。芍薬とともに血液の働きを増します。茯苓・白朮で冷えやむくみなどの原因となる体内の余分な水分を尿として流すことによりむくみを改善します半夏・生姜で吐き気を鎮めます。人参・甘草・大棗で胃腸の働きを高め、食欲を増すことによって体力を付け抵抗力を高めます。
逍遥散(しょうようさん)の販売サイト
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by mkkiri | 2013-03-15 12:04 | 甲状腺

胃下垂と漢方薬

胃下垂と漢方
胃の上端の位置は正常でも、胃の下端が骨盤の位置まで垂れ下がっている状態をいい、症状がないかぎり病気ではありません。やせ型の人、妊娠・分娩をくり返して腹壁のゆるんだ女性に多くみられます。 原因は、内臓を固定する靱帯(じんたい)が体質的に弱いためと考えられています。腹腔内の諸臓器が垂れ下がる内臓下垂症の部分症状として起こることが多く、胃下垂症の人は同時にほかの臓器の下垂をともなう場合が多いものです。

補中益気湯

中医学では、特に内臓の位置に保つ働きが失調することを「気陥」と言います。脾(消化器)気虚の状態が進行することによって脾の升提作用(すくい上げたり・のぼらせたりする作用)が失調して下垂症状を起こします。中医学では、胃だけでなく、遊走腎や脱肛、脱腸、子宮脱なども中気下陥と考えます。その代表処方が補中益気湯です。補中とは、消化器を(脾)を補うことです。胃腸の働きを高め、体力を補い元気をつけることを補中といいます。下垂症状のほかにも、虚弱体質、食欲不振、病後の衰弱、疲労倦怠、夏負けなど、多くの虚証症状に用いられます。

苓桂朮甘湯

消化器に停滞した体内の水分が代謝が悪いために肺の方に集まり、それが鼻水や回転性のめまい動悸・頭痛などとなって現れてきます。茯苓・白朮・甘草で消化器に停滞している水分を尿として流します。桂枝で鼻水やめまい・動悸・頭痛などの症状を緩和します。この処方は、水毒を改善する漢方薬で、尿量が少なく、上半身がむくみ、動悸、息切れ、めまいなどの水毒が原因でおきる症状を改善していきます。朝おきてから午前中までは元気が無く午後から元気になるような人によくあいます。

六君子湯

胃に冷えがあるため胃腸の働きが悪くなり、水分代謝が悪くなっているために疲れやすい・軟便傾向・みぞおちあたりがつかえるなどの症状が起こります。人参・白朮・茯苓・甘草で胃を温め弱った胃腸の活動力を高めます。陳皮・人参はみぞおちのあたりのつかえを取り去ります。半夏・白朮・茯苓で胃腸内に停滞している水分を尿として流すことによって、水分代謝をよくしながら症状を緩和します。胃の中に溜まっている水分を排出し、胃腸を強化し、消化吸収を促進させ、胃下垂による症状を改善していきます。胃下垂は、水質の停滞が原因と考えられていますので、漢方治療では、水質の流れを改善する処方が選択されます。その代表処方です。

半夏白朮天麻湯

胃腸の働きが悪い人のめまい頭痛吐き気に用いる代表処方です。食欲が旺盛でよく食べ日頃から痰が多い人が回転性のめまいにかかったときにものすごくよくよく効きます。また、車酔いにもよく効きます。天麻と半夏・陳皮めまいを改善させます。黄耆・人参・白朮・茯苓・蒼朮・黄柏で胃腸の調子を整え吐き気などを押さえます。胃腸虚弱、食後眠い、持続的な頭痛、めまい、肩こりなどの症状を改善していきます。胃腸虚弱による消化不良が原因で、栄養の吸収がうまくいっていないために全身の気血の流れが悪くなります。水毒による虚弱体質を改善する処方です。

桂枝加芍薬湯

冷えのために内蔵の血液循環が悪くなり、腸の働きが悪くなって腹部が痛んだり腹が張ったりします。芍薬で腸の血液循環をよくし、腸の働きを強め下腹部の痛み・渋り腹・お腹の張りを緩和します。桂枝・生姜で胃や大腸を温め腸全体の働きを強め、胃腸を丈夫にし同時に排尿の量をととのえます。腹部が張って。痛みがあり、頻繁に便意を催すが、排便が困難という状態に使用します。胃腸の働きを改善し、水の循環をよくすることで、胃下垂による不快な症状を改善していきます。


人参湯

手足や腹の冷え、小便が薄く多量で回数が多い、倦怠感や食欲不振などの症状をもつ人に使います。人参・白朮・甘草で消化器を温め消化・吸収する力をつけ体全体の働きを良くします。乾姜で体の内部を温めます。胃腸に溜まっている水分を排出して働きを改善し、体を温めることによって胃下垂によっておきる不快な症状の改善を行います。軟便傾向が改善できなければ、扶陽理中顆粒に変更します。
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by mkkiri | 2013-03-14 16:07 | 胃腸薬

花粉症に使用する漢方薬を紹介

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)頻繁にくしゃみをし、透明の鼻水がでて胃内停水があってのぼせの症状や頭痛、せき、水ぽい痰が出るような鼻炎の症状に使用します。効くけれど切れが今ひとつと感じるときは、回陽救逆を併用すると良いでしょう。小青竜湯と麻黄附子細辛湯の併用でもかまいません。桂皮は、閉じている皮膚の表面を開く働きがあります。麻黄と協力して、停滞している水を汗として出していきます。細辛・生姜で、消化器の水を温め動きやすくします。半夏・甘草・五味子で消化器に停滞した水を尿として流し、水分代謝を整えることによって、むくみを改善していきます。

葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)体力中程度の人で、黄色の鼻汁が出て鼻づまりの強い場合に使用します。肩や首の後ろがこり、汗が出ず、頭痛が強いなどの症状に使います。アレルギー性鼻炎の他蓄膿症にも使用します。葛根で患部および筋肉の強ばりを緩めます。芍薬・川きゅうで血液の循環をよくし、肩こりや頭重などを緩和し炎症を鎮めます。辛夷は川きゅうとともにのぼせを下げて、新陳代謝をよくし鼻づまりを改善する働きがあります。

辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)体力中程度の人で、くしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状に使用します。熱っぽく、鼻水の色が濃い人、鼻の中が乾燥したような感じの人の鼻炎に使用します。辛夷は、鼻づまりをよくして頭痛をとめ、膿性鼻汁を軽減させます。知母・黄ゴン・山梔子・升麻・石膏は、いずれも消炎・解熱・抗菌作用をもち、炎症や化膿をしずめます。

苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)通年型の鼻炎に使用します。くしゃみ鼻水がでやすく、めまい、たちくらみがする場合に使用します。消化器に停滞した体内の水分が代謝が悪いために肺の方に集まり、それが鼻水や回転性のめまい動悸・頭痛などとなって現れてきます。茯苓・白朮・甘草で消化器に停滞している水分を尿として流します。桂枝で鼻水やめまい・動悸・頭痛などの症状を緩和します。

麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)虚弱な人、高齢者、病後や過労のために体力が落ちている人で、くしゃみ、鼻水がでると言ったアレルギー性鼻炎に使用します。微熱、寒気、手足の冷えがある人にはよく効きます。麻黄・附子で体を温めかぜの外邪を取り除きます。

(かいようきゅうぎゃく)冷えの体質改善薬として幅広く使用します。アレルギー性鼻炎の治療に単独で使用することではなく、小青竜湯とあわせたり、苓桂朮甘湯とあわせたりして使用します。甘草・乾姜で肺と消化器を温めます。附子が加わることによって全身が温まります。
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by mkkiri | 2013-03-10 09:40 | アレルギー性鼻炎

花粉症と目の痒み

アレルギー反応によって、鼻水、鼻づまり、くしゃみの三大症状が起こり、鼻で呼吸ができなくなります。バランスのとれた食生活と十分な睡眠などによって体調をよくしておくことが大切です。 また予防法としては、原因となるアレルゲンに近づかないことにつきますが、現実的には完全排除は不可能です。脾肺を元気にしたり、自律神経のバランスを崩さないようにすることで、発症回数を減らしたり、症状を軽くすますようにします。

先日 調剤専門で仕事をしている薬剤師から相談がありました。

「毎年花粉症に悩んでいます。目が痒いのと鼻水で困っています。西洋薬を服用しての治療は眠くなり目薬を使用しないで鼻水と目の痒みを止めてください。」とお願いされました。

①「寒い」症状 くしゃみ・・・あり 鼻水・・・透明で水っぽい 鼻づまり・・・あまり強くない
②「熱い」症状 くしゃみ・・・あり 鼻水・・・白く粘っこい 鼻づまり・・・比較的強い これらはすべて肺の症状です。ただ、病気が長引いて慢性化した場合には、本当の原因が別にあると考えます。 
①の症状を示す人には、寒さや冷たいものを嫌う、手足が冷える、のどは渇かない、のどが渇いても温かいも のを欲しがるという特徴があります。このタイプは肺と腎に問題があります。 
②は、からだにたまった水陰が体温で温められたため、もともと寒性の水飲が熱性の水陰に変わって起こる 症状です。  「熱い」とはいっても、ウイルス性の感染症などと違って、高熱を出すようなことはなく、顔や目が赤くなる、目が痒くなる、のどが渇いて冷たいものを欲しがるといった、比較的おだやかな熱症状が特徴です。この場合は、肺と脾に問題があると考えられます。

目の痒みを伴う人は、ほとんどが②の人が多いようです。

相談を受けた薬剤師君は、日頃から軟便傾向で下痢をする事もあるようです。脾胃湿熱と考え、肝経の熱を冷まし湿熱をさばく治療を行いました。茵蔯五苓散(いんちんごれいさん)を投与。服用後の効果に感激していました。
3月の11日より気温も上昇し花粉症も一気に症状が出始めました。
処方箋の患者も花粉症の人ばかりです。目の痒みの人は、茵蔯蒿湯茵陳五苓散で改善しています。
小青竜湯との併用でも効果が出ます。
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by mkkiri | 2013-03-09 16:34 | アレルギー性鼻炎