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更年期障害と漢方

更年期障害と漢方
更年期とは、女性の性成熟期から老年期に移行する過渡期で、この時期になると卵巣の機能が衰え、今まで順調だった月経が狂ってきたりします。やがて、エストロゲンの分泌が消失して月経がなくなります。これが閉経です。更年期障害とは、この閉経を中心としたその前後の数年間に起こる不定愁訴症候群で、ホットフラッシュ(顔やからだが急にほてる)、発汗、腰痛、うつ、疲れやすいといった症状がみられます。閉経年齢は平均52歳といわれますが、早い人は45歳ごろに閉経を迎え、遅い人では55歳ごろまで月経があります。したがって更年期障害が起こる年齢には個人差があります。中医学では、陰陽失調の改善をします。


桃核承気湯
気の巡りをよくする働きもあるので、月経時にイライラして怒りっぽくなるという人にも向いています。月経周期の乱れの治療にも、使われる漢方薬です。膀胱付近に熱が強いため、血の停滞を起こし血液循環が悪くなり、神経痛や腰痛・肩こりなどが起こります。また、熱のために便秘や神経興奮も起こり、いらいらなどの神経症状も起こります。桃仁・芒硝で血の熱を冷ますことにより、血の停滞をのぞき血液循環をよくします。甘草が働いて痛みや肩こり・冷えのぼせ・下腹部の抵抗圧痛を取り除きます。桂枝で神経興奮を静めていらいらなどの神経症状を緩和します。大黄で腸の熱を冷まし、便通をよくします。月経痛が非常に強く、のぼせがあり、へその下に痛みを感じる、便秘がちな人に使用されます。
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)の詳細はナガエ薬局


柴胡加竜骨牡蛎湯
神経の高ぶり、精神不安が強いため、水分代謝が悪くなり、胸苦しさやイライラなどが起こり、眠れなくなります。竜骨・牡蛎は、腎の働きをととのえかつ沈静的に作用し胸や腹部の動悸を鎮めます。桂枝の興奮を引き下げる働きとともに神経の高ぶりを鎮め、イライラ・精神不安を取り除きます。柴胡で胸部の熱を冷まして胸苦しさを取ります。半夏・生姜・茯苓で水分代謝をよくします。大黄で大腸の熱を冷ますことによって眠れないという症状を緩和します。この漢方薬が合うタイプは腹力があり、へその上下で動脈の脈動を感じられるのが特徴です。胸部がつかえるような感じがして、みぞおちを押すと痛みがあります。下半身が重く感じられる人に用いると、症状が緩和されます。
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)の詳細はナガエ薬局


桂枝茯苓丸
血の熱の為に、血の停滞を起こし血液に循環が悪くなり、冷えのぼせの症状がでます。またもともとから血の循環が悪い人が、他の原因で血の停滞ができてしまい、なかなか治らずつらい症状が出ます。このような人によく使います。桃仁・牡丹皮は、血の熱を冷まして停滞している血の流れをよくします。桂枝・茯苓で皮膚表面の新陳代謝をよくし冷え・のぼせの症状を緩和します体力がある人で、頭痛、肩こり、冷えのぼせ、便秘、へその左脇に圧痛のある人に適しています。血の巡りを改善する駆瘀血剤の代表的な処方です。この漢方薬が合うタイプが適応する人は、のぼせがあるために顔色が赤く、ときには手足が冷え、便秘がちで肩がこるのが特徴です。この薬の合う人は、へその左斜め下付近を押すと、軽い抵抗と圧痛が認められます。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)の詳細はナガエ薬局


加味逍遥散
不定愁訴の多い場合に適応する処方で、精神・肉体の両面で効果を発揮します。生理前に胸が硬く張る人に使用します。冷えや・自律神経の乱れによって、ホルモンバランスが崩れ血流の循環も悪くなって、肝臓の働きが低下します。その為に便秘になったり、貧血・肩こりなどさまざまな症状が出てきます。山梔子・薄荷で自律神経を安定させます。柴胡で肝機能を高めます。当帰・芍薬・牡丹皮で、血液の働きを増すことによってホルモンバランスを整え、疲労倦怠・貧血・肩こり・便秘などの症状を改善します。不眠がちで、突然、寒けに襲われたり、食欲がなく、めまいや頭痛がすることがあります。
加味逍遥散(かみしょうようさん)の詳細はナガエ薬局


当帰芍薬散
生理前にむくんだり、胸が柔らかく張る人によく使用します。貧血・冷えの為、腎や膀胱付近の血液循環が悪くなりその働きが低下した為にむくみが生じます。当帰・川きゅうは血の冷えを温め造血をはかる働きを持っています。芍薬とともに血液の働きを増します。茯苓・白朮で冷えやむくみなどの原因となる体内の余分な水分を尿として流すことによりむくみを改善します。頭痛や耳鳴り、肩こり、腰痛などの症状にも効果があります。脈が弱くて、へその左下あたりに軽い抵抗と圧痛があることが、この薬の使用目標です。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)の詳細はナガエ薬局


桂枝加竜骨牡蛎湯
不眠、不安からのパニックを訴える人に適しています。気分がイライラして落ち着かないという症状のある人に用いられます。また、食欲がなく、頭痛や吐き気も確認できます。みぞおちやののどに何かがつかえているように感じる人に適合する処方です。この処方は元気や機能が衰えて末梢(特に脳)への栄養がうまくめぐらず、脳の機能が低下して不安感、不眠、動悸などの神経症状を現わす人に気血不足の調整をし、竜骨・牡蛎の鎮静作用により神経症状を緩解させる処方となっています。不眠や不安などがあり、気分がイライラして落ち着かない人に処方されます。極端に緊張しやすく、手やわきの下に汗をかくことが多い人に適しています。
桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)の詳細はナガエ薬局
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by mkkiri | 2013-06-17 00:00 | 更年期障害

不眠、めまい、動悸、腰痛

最近「子育てを終えて一段落、と思ったら、最近急に顔やからだがほてるようになりました。イライラして不眠に悩んでいます。」と言った相談をよく受けます。

不眠、めまい、動悸、腰痛などの更年期に起こるさまざまな症状は、女性には避けられないものです。それに、女性は美容や健康にすごく敏感ですから、こんな症状は気になってしょうがないでしょう。

更年期の症状は、知っての通り、女性ホルモンの乱れが自律神経に影響を及ぼし起きてくるものです。漢方では、更年期の症状は子宮の老化と考える人もいます。
どういうことかと言いますと、子宮を支配するホルモン系の働きをするのは腎です。
その腎の機能が老化で衰えてきますと、自律神経をコントロールする肝の働きも低下するものなのです。「肝腎かなめ」などの言葉があるように、肝と腎とは密接な関係にあります。現代医学的にいっても、肝と腎は、それぞれ自律神経系、ホルモン系の働きをしていると言われています。中医学では、更年期の症状には「肝腎」の弱ったはたらきを強めて体のバランスを整える治療をします。

イライラ、怒りっぽい。胸部や乳房が張る。肩こり、筋肉痛。逍遥散加味逍遥散冠脉通塞丸などが適しています。動悸・不眠・夢を多く見る。物忘れをする様な人には天王補心丸をおすすめします。
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by mkkiri | 2012-05-07 12:18 | 更年期障害

加味帰脾湯と更年期障害

加味帰脾湯は、帰脾湯に柴胡と山梔子が加えられた処方で、精神疾患や血液疾患に広く使用されています。
考えすぎや疲れによって脾の働きが悪くなり倦怠感や食欲不振が現れます。また、心血が消耗して神を主る作用が低下し心が安まらない状態(心神不寧)、驚きやすくて動悸がする(驚悸)、持続性の動悸(征忡)、健忘、不眠などの精神症状が現れます。また、脾の統血機能が失われると、血が血管外に漏れますので、慢性で反復する出血や皮下出血などがみられるようになります。
このような病態に肝気鬱結が加わり、化火し、いらいら、のぼせなどが出現したものが、加味帰脾湯の適応になります。

臨床応用
■加味帰脾湯と血液疾患
貧血や血小板減少性紫斑病などにしばしば使用されています。気血両虚を改善する働きのある帰脾湯や加味帰脾湯は、貧血によくあった処方構成になっています。また、脾虚に伴う統血作用の失調による出血に対しても適応できる内容をもっています。

■加味帰脾湯と神経・精神疾患
加味帰脾湯は、心脾両虚に肝鬱化火を兼ねたものですので、疲れやすい、食欲不振、健忘、驚きやすくて動悸がする(驚惇)などの症状に、いらいら、のぼせ、ほてり、胸苦しいなどの症状が加わったものに用います。

■加味帰脾湯と更年期障害ど
加味帰脾湯は、更年期障害に見られる倦怠感や動悸、不眠、精神不安などにしばしば使用されます。処方中の柴胡・山梔子が、いらいら、のぼせなどの自律神経症状に対応しています。

不安神経症と漢方治療(うつ病・パニック障害などメンタル症状と漢方治療)
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by mkkiri | 2012-05-01 09:29 | 更年期障害