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顔面神経麻痺と漢方

顔面神経麻痺と漢方
顔の表情を作る運動神経(顔面神経)が顔の片側で突然まひする病気です。脳卒中などの場合に起こる脳障害が原因の顔面まひとは異なるもので、ウイルス感染により神経の末端に障害が生じて起こることが多いものです。数週間から数か月で後遺症が残ることなく完全に治ることが多いのですが、なかには治療にかかわらず、顔面の一部のまひが残る場合もあります。漢方では痺症(ひしょう)と言い風寒湿のいずれかの病邪を取り除く治療をします。西洋薬の治療と同時に使用しても問題ないので早い漢方治療をおすすめします。

半夏白朮天麻湯
日頃から胃腸が丈夫でない人が、暴飲暴食をしたりして湿邪が経絡の流通を阻害したためにおきる顔面麻痺に使用します。頭痛・めまい・吐き気を伴うことが多い場合には、とてもよく効きます。胃腸の働きが悪い人のめまい・頭痛・吐き気に用いる代表処方です。食欲が旺盛でよく食べ日頃から痰が多い人が回転性のめまいにかかったときにものすごくよくよく効きます。また、車酔いにもよく効きます。天麻と半夏・陳皮めまいを改善させます。黄耆・人参・白朮・茯苓・蒼朮・黄柏で胃腸の調子を整え吐き気などを押さえます。風湿の病邪をさばきます。
半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)の詳細解説

川芎茶調散
風邪の侵入によって経絡の流通が悪くなり顔面麻痺を起こします。袪風する事で顔面麻痺を改善させます。頭痛やかぜの初期に用いる処方です。体表部から病邪が肌表・経絡・肌肉などに進入停滞したものを荊芥・防風・羌活・白芷・薄荷で除き、頭痛を改善します。体表部から病邪が肌表・経絡・肌肉などに進入停滞したものをさばく代表処方です。
川芎茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)の詳細解説

麻杏薏甘湯
運動した後などに汗をかいたまま風に長い間あたったりあるいは長い間冷えたところにいたために、からだに強い冷えが生じ水分代謝および血液循環が悪くなり、経絡の流通が悪くなり顔面麻痺を起こします。麻黄・杏仁はからだの冷えを温め血液の循環をよくする働きがあります。麻黄・杏仁は甘草とともに関節などに停滞している水を取り除きます。ヨクイニンは水分代謝をよくし血液のほてりを鎮めます。また、甘草とともに痛みを緩和します。顔面麻痺が慢性化し、皮膚の緊張が強い場合に使用します。冷えやむくみを伴う人にはとても効果があります。
麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう)の詳細解説

桂枝加苓朮附湯
日ごろから寝汗をかくような体質のため、皮膚の毛穴が開いたっまになっているので汗や熱が漏れてからだが冷えてしまいます。その為に水分代謝が悪くなり、神経痛・ひざの痛み・腰痛・尿量減少などの症状があります。このような人の慢性化した顔面麻痺に使用します。桂枝で皮膚表面の働きを整えます。附子で体を温め、皮膚の表面からの汗や熱などの漏れを防ぎます。大棗・芍薬・甘草で血液の循環を良くします。蒼朮で水分代謝を整えることによって痛みの症状を改善していきます。
桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう)の詳細解説

防已黄耆湯
からだの皮膚表面の働きが悪いため水分代謝がうまく行われず、体内の水分が停滞しそれがむくみとして現れたり関節に停滞したりします。防已・黄耆は皮膚表面に停滞している水分を取り除き皮膚表面の働きを助けます。生姜で消化器に停滞している水分を温め動きやすくします。白朮・甘草で消化器に滞った水を尿として流すことにより、水分代謝を改善し関節に水が集まるのを防ぎます。体表部からの外邪の侵入によって湿邪がさらに停滞し経絡の流通を阻害して麻痺が生じます。尿量が少なく汗かきで色が白くむくみやすい人の顔面麻痺に使用します。
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)の詳細解説

桂枝茯苓丸
病気が慢性化すると必ず瘀血が発生します。瘀血を改善する代表処方です。血の熱の為に、血の停滞を起こし血液に循環が悪くなり、冷えのぼせの症状がでます。またもともとから血の循環が悪い人が、他の原因で血の停滞ができてしまい、なかなか治らずつらい症状が出ます。このような人によく使います。桃仁・牡丹皮は、血の熱を冷まして停滞している血の流れをよくします。桂枝・茯苓で皮膚表面の新陳代謝をよくし冷え・のぼせの症状を緩和します。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)の詳細解説
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by mkkiri | 2013-03-27 09:00 | 顔面麻痺