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高脂血症と漢方

高脂血症と漢方
血液中の脂質の量が異常に多い状態です。脂質は血液中では、リポたんぱくというかたちで血清の水分中に溶けこんだ状態になっているため、高脂血症は、別名高リポたんぱく血症とも呼ばれます。 血液中には、コレステロール、リン脂質、中性脂肪(トリグリセライド)、遊離脂肪酸という4種類の血清脂質が存在します。4種類のうち、コレステロールが多い状態を高コレステロール血症、中性脂肪が多い状態を高トリグリセライド血症といいます。両方が多い場合もあります。これらの血清脂質は、食べ物から吸収されたり、肝臓で合成されたのち、血液にのって全身に運ばれ、利用されます。この過程のどこかで支障が生じると、血液中にコレステロールや中性脂肪がふえすぎて、からだに悪影響を及ぼします。中医学では脾胃の昇降バランスを調節し痰湿のさばきをおこないます。


大柴胡湯
左右の肋骨の下に抵抗・庄痛があって胃がつかえた感じがし、便秘しやすいタイプで、耳鳴り、肩こり、痔などがある人に適しています。肝機能が低下しているため、アレルゲン(原因となるもの)に対して抵抗力が弱くなり、更に体内の毒素が停滞するため、炎症や化膿及び便秘・耳鳴りなどの症状が起こります。柴胡は肝機能を高め解毒力を増す働きを持ちます。黄ごん・枳実で体内にこもった熱を冷まして炎症・化膿を鎮め、胃部のつかえや胸苦しさ・肩こり・耳鳴りなどの症状を緩和します。大黄で腸の熱を冷まし、便通をよくします。血色が良く、胃腸が丈夫な人向きの処方です。
大柴胡湯(だいさいことう)の詳細はナガエ薬局


柴胡加竜骨牡蛎湯
左右の肋骨の下に抵抗・圧痛があり、精神的に不安定で驚きやすく、イライラしがちといった場合に向いています。便秘がちな人に合う薬です。神経の高ぶり、精神不安が強いため、水分代謝が悪くなり、胸苦しさやイライラなどが起こり、眠れなくなります。竜骨・牡蛎は、腎の働きをととのえかつ沈静的に作用し胸や腹部の動悸を鎮めます。桂枝の興奮を引き下げる働きとともに神経の高ぶりを鎮め、イライラ・精神不安を取り除きます。柴胡で胸部の熱を冷まして胸苦しさを取ります。半夏・生姜・茯苓で水分代謝をよくします。大黄で大腸の熱を冷ますことによって眠れないという症状を緩和します。しばしば漢方の精神安定剤といわれます。
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)の詳細はナガエ薬局


桃核承気湯
膀胱付近に熱が強いため、血の停滞を起こし血液循環が悪くなり、神経痛や腰痛・肩こりなどが起こります。また、熱のために便秘や神経興奮も起こり、いらいらなどの神経症状も起こります。桃仁・芒硝で血の熱を冷ますことにより、血の停滞をのぞき血液循環をよくします。甘草が働いて痛みや肩こり・冷えのぼせ・下腹部の抵抗圧痛を取り除きます。桂枝で神経興奮を静めていらいらなどの神経症状を緩和します。大黄で腸の熱を冷まし、便通をよくします。筋肉質でのぼせやすく、足腰が冷えて便秘がち、女性なら月経不順や子宮出血があるといった人に適した薬。この薬が合う人は、左の下腹部に触ると硬いものがあり、押すと痛みがあるはずです。
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)の詳細はナガエ薬局


防風通聖散
脂っこい食事・甘いものの過剰摂取に加え、その代謝がうまく行われない為に便秘し、特に腹部に脂肪が蓄積しやすくなります。大黄・甘草・芒硝で、便通をよくしながら体内に蓄積している老廃物を排泄します。荊芥・当帰・防風で、血液の循環をよくし、解毒を行い脂質の代謝をよくします。漢方のやせ薬といわれます。おなかに硬く脂肪のついた太鼓腹で赤ら顔、肩こりがあって、尿の量が少なく、常に便秘しているという「固太り」タイプ向きの薬です。
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)の詳細はナガエ薬局


桂枝茯苓丸
血の熱の為に、血の停滞を起こし血液に循環が悪くなり、冷えのぼせの症状がでます。またもともとから血の循環が悪い人が、他の原因で血の停滞ができてしまい、なかなか治らずつらい症状が出ます。このような人によく使います。桃仁・牡丹皮は、血の熱を冷まして停滞している血の流れをよくします。桂枝・茯苓で皮膚表面の新陳代謝をよくし冷え・のぼせの症状を緩和します。血の停滞(療血)を取る駆瘀血剤の代表で、めまい、頭痛、肩こり、便秘などの症状を目安に、冷え、のぼせのある人に用いられます。女性向きの処方とされていますが、もちろん男性にも有効です。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)の詳細はナガエ薬局


当帰芍薬散
貧血・冷えの為、腎や膀胱付近の血液循環が悪くなりその働きが低下した為にむくみが生じます。当帰・川きゅうは血の冷えを温め造血をはかる働きを持っています。芍薬とともに血液の働きを増します。茯苓・白朮で冷えやむくみなどの原因となる体内の余分な水分を尿として流すことによりむくみを改善します。色白で貧血気味、動悸、立ちくらみが起こりやすく、足腰が冷えてむくみがあるといったタイプに用いられます。女性向きの処方で、この薬が合う人は月経が遅れがちの傾向があります。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)の詳細はナガエ薬局


防已黄耆湯
からだの皮膚表面の働きが悪いため水分代謝がうまく行われず、体内の水分が停滞しそれがむくみとして現れたり関節に停滞したりします。防已・黄耆は皮膚表面に停滞している水分を取り除き皮膚表面の働きを助けます。生姜で消化器に停滞している水分を温め動きやすくします。白朮・甘草で消化器に滞った水を尿として流すことにより、水分代謝を改善し関節に水が集まるのを防ぎます。色白でぽっちゃりし、汗をかきやすい一方、尿の圭は少なくて下半身がむくみやすい“水太り”体質の人に向く薬です。ひざの関節に水がたまったり痛みが生じたりしがちなのも適応症です。
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)の詳細はナガエ薬局
by mkkiri | 2013-06-02 00:00 | 生活習慣病
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