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逆流性食道炎と漢方

逆流性食道炎と漢方
逆流性食道炎は、強い酸性の胃液や、胃で消化される途中の食物が食道に逆流して、そこにとどまるために、食道が炎症を起こし、胸やけや胸の痛みなどさまざまな症状が生じる病気です。中医学では胃の和降失調と考えますので、気の流れをよくする治療をします。


大柴胡湯
ストレスや暴飲暴食で肝を傷つけ肝胃のバランスが崩れ気の流れが悪くなった逆流性食道炎に使用します。体力のある人の胸脇苦満の解消に効果がある大柴胡湯です。便秘がちで肩こりがあることを目的にします。肝機能が低下しているため、アレルゲン(原因となるもの)に対して抵抗力が弱くなり、更に体内の毒素が停滞するため、炎症や化膿及び便秘・耳鳴りなどの症状が起こります。柴胡は肝機能を高め解毒力を増す働きを持ちます。黄ごん・枳実で体内にこもった熱を冷まして炎症・化膿を鎮め、胃部のつかえや胸苦しさ・肩こり・耳鳴りなどの症状を緩和します。大黄で腸の熱を冷まし、便通をよくします。
大柴胡湯(だいさいことう)の詳細解説

黄連解毒湯
イライラして暴飲暴食をし胃酸の分泌が多くなり、胃熱が強くなり胃の正常な活動が出来なくなった逆流性食道炎に使用します。胃のつかえ感や胸苦しさのある人に向いています。高まった神経を静め胃の和降失調を改善させます。体内の熱が強い為、血液に熱を持ち血管が充血し炎症を起こしやすくなっていて、のぼせや胃部のつかえなどが起こります。また、熱のため強い神経興奮も生じ、めまい・たちくらみなども起こります。黄連・黄ごん・黄柏・山梔子で体内の熱を冷まし充血・炎症を鎮め、みぞおちあたりのつかえやのぼせを取り除きます。山梔子は特に神経興奮を静める働きを持ち、精神不安・イライラを鎮めめまいたちくらみなどの症状を緩和します。
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)の詳細解説

半夏瀉心湯
食べ過ぎ・飲み過ぎのため、あるいはそれに神経的なものが加わったために、みぞおちのあたりがつかえたりします。半夏は、自律神経を安定させます。生姜・甘草・大棗は、胃に停滞している水分を尿として流し、水分代謝をよくして、吐き気、ゲップ、腹鳴、下痢などの症状を緩和します。黄連・黄ごんは、胃の炎症を鎮める働きをもっています。黄連・黄ごんは人参とともに、みぞおちのつかえをとります。胃腸の調子を整えることによって、眠れないという症状を緩和していきます。胃の上部が熱で下部が冷えている状態になり、胃内停水を起こしてる人に使用します。げっぷがよく出る、軟便、下痢傾向にあるのが目標です。
半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)の詳細解説

安中散
神経質・冷え性体質のため胃が冷え、精神的刺激・疲労の蓄積などが誘因となって胃腸障害が起きます。そのため内臓の血液の循環が悪くなり、胃の筋肉が弛緩し吐き気や胃痛などの症状を起こします。良姜・茴香で胃を温めます。延胡策・茴香・甘草・芍薬で更に温めながら痛みを緩和します。牡蛎・桂枝は神経の緊張を鎮めます。冷え症でストレスが多い人に向いています。ストレスによる気の停滞を改善すると同時に体を温め胃の機能を改善します。神経質で胃をたたくと振水音がして胃液がこみ上げてくるような人に使用します。
安中散(あんちゅうさん)の詳細解説

六君子湯
胃に冷えがあるため胃腸の働きが悪くなり、水分代謝が悪くなっているために疲れやすい・軟便傾向・みぞおちあたりがつかえるなどの症状が起こります。人参・白朮・茯苓・甘草で胃を温め弱った胃腸の活動力を高めます。陳皮・人参はみぞおちのあたりのつかえを取り去ります。半夏・白朮・茯苓で胃腸内に停滞している水分を尿として流すことによって、水分代謝をよくしながら症状を緩和します。体力のない人の消化器疾患に使用します。虚弱体質で胃腸が弱い人の胸焼けによく用いられ、食後に眠くなる、貧血がある、手足が冷えるなどを目標にします。
六君子湯(りっくんしとう)の詳細解説

人参湯
手足や腹の冷え、小便がうすく多量で回数が多い、倦怠感や食欲不振などの症状をもつ人に使います。人参・白朮・甘草で消化器を温め消化・吸収する力をつけ体全体の働きを良くします。乾姜で体の内部を温めます。虚弱体質で胃腸の弱い人に使用します。体を温め、水毒を除きながら胃腸の働きを正常にしていきます。手足が冷えて眠れない、下痢をしやすい、生唾が多い、冷えると胃痛がするが温めると楽になる人に用いられます。
人参湯(にんじんとう)の詳細解説
by mkkiri | 2013-04-02 09:00 | 胃腸薬
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