胃酸過多と漢方
胃液の中に含まれる塩酸とペプシンを胃酸といい、消化や殺菌の重要な働きをしています。胃酸は胃粘膜の細胞から分泌されますが、過剰に分泌されると塩酸により酸度が異常に高くなって、胃や十二指腸、食道の粘膜が傷ついて酸症状とよばれる症状があらわれます。なお、胃酸過多症とは病名ではなく、一般には胸やけなどの酸症状がみられる場合に用いられています。漢方治療では、胃の働きを正常に戻し、胃液の分泌障害を除きます。漢方の得意分野です。 黄連解毒湯体内の熱が強い為、血液に熱を持ち血管が充血し炎症を起こしやすくなっていて、のぼせや胃部のつかえなどが起こります。また、熱のため強い神経興奮も生じ、めまい・たちくらみなども起こります。黄連・黄ごん・黄柏・山梔子で体内の熱を冷まし充血・炎症を鎮め、みぞおちあたりのつかえやのぼせを取り除きます。山梔子は特に神経興奮を静める働きを持ち、精神不安・イライラを鎮めめまいたちくらみなどの症状を緩和します。胃熱があって、胃液が多く胃潰瘍気味の人に用いられます。胸焼け、動悸、神経的なストレスで眠れない場合、顔ののぼせなどの症状を持つ人の胃酸過多に使用します。 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)の詳細解説 柴胡桂枝湯心配事や緊張・ストレスなどにより胃に負担がかかり、そのため胃における血液の循環が悪くなり、そこに熱を持ち、みぞおちあたりのつかえや痛みなどのさまざまな症状が現れます。桂枝・半夏で神経の緊張を鎮めます。柴胡は肝機能を高め解毒力を増す働きを持ちます。柴胡・黄ごんで体内にこもった熱を冷まして炎症・化膿を鎮め、胸苦しさを取り除きます。半夏・生姜で吐き気を鎮めます。人参・甘草・大棗で胃腸の働きを高め、食欲を増すことによって体力を付け抵抗力を高めます。芍薬で痛みを緩和します。空腹時の胃痛やげっぷ、胸焼けなどに使用します。特に神経的なストレスからくる胃腸病に使用され、季肋部の不快感や胸脇苦満の症状に使用します。 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)の詳細解説 安中散神経質・冷え性体質のため胃が冷え、精神的刺激・疲労の蓄積などが誘因となって胃腸障害が起きます。そのため内臓の血液の循環が悪くなり、胃の筋肉が弛緩し吐き気や胃痛などの症状を起こします。良姜・茴香で胃を温めます。延胡策・茴香・甘草・芍薬で更に温めながら痛みを緩和します。牡蛎・桂枝は神経の緊張を鎮めます。 安中散(あんちゅうさん)の詳細解説 平胃散胃の消化が悪いため、または飲食物の過剰摂取のため、食べ物や水分が胃に停滞し、みぞおちのあたりがつかえて膨満が起こり、胸焼け胃痛などの症状が起こります。生姜で胃の水を温め動きやすくします。蒼朮・大棗・甘草で胃の水を尿として流し胃に停滞している水分を取り除きます。厚朴・陳皮でお腹の張りや胃の張りを取り去ります。美食や食べ過ぎで消化不良になった場合に用います。胃の消化が悪いため、胃の中に食べ物や水が溜まっていたり、心下部が痞えて膨満感があり、食べると腹がゴロゴロとなって下痢をするような人に使用されます。漢方の消化剤です。 平胃散(へいいさん)の詳細解説
by mkkiri
| 2013-03-21 11:31
| 胃腸薬
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